ウォルト・ディズニー・カンパニーが、米国の一部幹部を対象とした自主的な早期退職制度「VERO」を導入します。コスト削減を進める組織再編の一環で、人員削減も2027年まで継続する方針が示されています。
ディズニーが幹部向け早期退職制度を導入
ウォルト・ディズニー・カンパニーが、長年勤務してきた一部の幹部社員を対象に、自主的な早期退職制度「Voluntary Early Retirement Offer(VERO)」を導入することが明らかになりました。
Varietyの報道によると、DisneyのSenior EVP兼Chief People Officerを務めるSonia Coleman氏が、社内向けメモで制度について説明しました。

VEROは期間限定の会社主導プログラムで、一定の条件を満たした幹部社員が、通常より手厚いパッケージを受け取りながら自主的に退職する選択肢を提供するものです。
今回の動きは単独の施策ではなく、Disneyが進めている全社的なコスト削減と組織再編の一環となります。
引用元:Variety
https://variety.com/
対象はDisney Entertainment、ESPN、コーポレート部門
今回のVEROは、米国を拠点とするDirector(ディレクター)からEVP(Executive Vice President)までの幹部社員のうち、一定条件を満たす社員が対象となります。
対象部門には、Disney Entertainment、ESPN、コーポレート部門が含まれます。
対象者は「年齢+勤続年数」で計算されるポイントが65以上であることに加え、50歳以上、Disneyでの勤続年数が10年以上である必要があります。
契約社員は対象外です。
参加はあくまで任意であり、条件を満たした社員に対して個別に制度の詳細や申請期間などが案内されます。
退職金だけでなくSilver Passも継続
今回の早期退職パッケージには、Disneyならではの内容も含まれています。
対象者には退職時のSeparation Pay(退職給付)に加え、既存の株式報酬の権利確定継続、現役社員と同水準の医療保険サポートなどが提供される予定です。
さらに、Disneyテーマパークで利用できるSilver Passへのアクセスも継続されます。
Coleman氏は社内メモで、退職は非常に個人的な決断であるとしたうえで、対象となる社員が十分な情報と時間、サポートを得て判断できる環境を用意する方針を説明しています。
Disneyの人員削減は2027年まで続く見通し
今回特に注目されるのは、早期退職制度だけではありません。
社内メモでは、VEROについてDisneyが組織を再構築するために進めている複数の施策のひとつと説明されています。
さらに、一部部門ではすでに非自主的な人員削減が始まっており、「来年まで継続する」と明記されました。
Disneyは2026年4月と7月にも人員削減を実施。8月に行われた決算説明会では、CEOのJosh D’Amaro氏とCFOのHugh Johnston氏が、さらなるコスト削減策を進める方針を示していました。
今回のVEROは、その次の段階に位置付けられる施策となります。
なぜDisneyはコスト削減を続けている?
Disneyは近年、事業構造や組織の見直しを継続しています。
今回の社内メモでも、会社として「meaningfully reducing costs(大幅なコスト削減)」に取り組んでいることが説明されています。
一方、単純に支出を減らすだけではなく、削減によって生まれた経営資源を、今後成長が期待できる分野へ振り向ける方針です。
Disneyが重点投資分野として挙げているのが、コンテンツ、テクノロジー、Experiences(体験事業)の3分野です。
テーマパークやDisney Cruise Lineなどを含むDisney Experiencesが、引き続き将来の成長分野として位置付けられている点は、ディズニーパークファンにとっても重要でしょう。
ディズニーパークへの影響は?
今回発表されたVEROの対象として示されているのは、Disney Entertainment、ESPN、コーポレート部門です。
そのため、今回の制度がDisney Experiencesやウォルト・ディズニー・ワールド、ディズニーランド・リゾートの運営スタッフを直接対象としているわけではありません。
また、今回の情報だけから、パークのサービスや新規プロジェクトに具体的な影響が出ると判断することはできません。
むしろ経営陣は、コスト削減と並行してExperiencesを将来の成長に向けた投資先のひとつとして挙げています。
Disneyは現在、世界各地のテーマパークやDisney Cruise Lineで多数の大型プロジェクトを進めています。今回の組織再編がこうした投資戦略とどのように並行して進められていくのかが、今後の注目ポイントになりそうです。
自主退職で組織再編の選択肢を広げる狙い
Disney側は今回のVEROについて、より広範囲な組織上の判断が確定する前に、対象となる社員自身が退職を選択できる機会を提供するものと説明しています。
つまり、今後予定されている組織再編や人員削減に先立ち、一定の条件を満たしたベテラン幹部に自主的な退職という選択肢を提示する形です。
一方で、社内メモには非自主的な人員削減についても明確に記載されており、Disneyのコスト削減が今回のVEROだけで終了するわけではないことも示されています。
まとめ
ウォルト・ディズニー・カンパニーは、米国の一部幹部社員を対象としたVoluntary Early Retirement Offer(VERO)を導入します。
対象となるのはDisney Entertainment、ESPN、コーポレート部門のDirectorからEVPまでのうち、年齢や勤続年数などの条件を満たした社員です。
退職給付や株式報酬、医療保険サポートに加え、DisneyテーマパークのSilver Passも継続されるなど、長年勤務した社員を対象とした手厚い内容となっています。
一方、Disneyは非自主的な人員削減についても2027年まで継続する方針を示しました。
コストを削減しながら、コンテンツ、テクノロジー、Experiencesへ重点的に投資する。 今回の早期退職制度は、Disneyが進める大規模な組織再編の次のフェーズとして注目されます。
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